歌謡亭日乗

或る音楽ライターの仕事と日常

『義母と娘のブルース』

www.tbs.co.jp

 『義母と娘のブルース』が終わって、もうすぐ1週間。25日の夜には“ぎぼむすロス”を実感することになりそうですが、終わってしまったことが惜しいと思えるようなドラマを観られたのは喜ぶべきことでしょう。
 ドラマ自体は最後まで、心が温かくなるものを感じながら楽しめましたし、ラストに用意されていた新幹線のチケットに関するオチでもいろいろ想像して余韻を味わえたので、脚本の森下佳子さん、主演の綾瀬はるかさん、他のスタッフには、よいドラマを見せてくれたことに感謝したいと思います。

 気になったのは終わり間近の、みゆきのセリフ。

ポップス、ロック、クラシック、ジャズ、民謡、演歌、オペラ。地球は歌で溢れてる。もし、私の人生を歌にしたとすれば、それはきっとブルースだ

 という言葉がありましたが、これを聞いて「歌謡曲がない」と思ってしまいました。そして、それが今の時代に、歌謡曲が置かれた状況を示しているんだろうと。

 一般には「ポップス(=J-POP)」、または「演歌」の枠内に収まるものと考えられているか、一つのジャンルとしては考えられていないといったところでしょう。

 でも、「演歌」とも「J-POP」とも言いがたい歌は数多く、昭和の時代にはそうした名曲が多数あって、今もその流れの延長線上で作られている作品や、活動している歌手も少なくありません。

 平成の時代、「歌謡曲」は昭和を懐古したり再評価したりするためのツールとして取り上げられることが多かったように思いますが、次の時代にはまた新しい歌謡曲の時代が訪れてほしいものだと思います。

www.tbs.co.jp

 ちなみに“ぎぼむす”後最初の火曜10時には『演歌の乱~細川たかし初MC!東野&直美が感激!ミリオンヒットJポップで紅白歌合戦』が放映されるそう。藤 あや子、香西かおり、丘 みどり、城之内早苗、水谷千重子石原詢子市川由紀乃、杜 このみ、細川たかし、橋 幸夫、大江 裕、山川 豊、角川 博、徳永ゆうき、走 裕介という出演者の顔ぶれは、演歌歌手勢ぞろいのように思われるかも知れませんが、それぞれ演歌だけの人ではなく、他のジャンルも達者にこなせる実力派ばかり。安心して歌を楽しめる番組になると期待しています。